雨の桂離宮〜研ぎ澄まされた美空間・月波楼&エピローグ [建築探訪]
月波楼からの眺めは 向こうに松琴亭を見渡せ
言葉に言い尽くせぬ流麗な光景です。。。
月波楼の口の間の前に据えられている「鎌型手水鉢」は
秋の刈り入れを意味するもの
月波楼は古書院に近い池辺の高見に建つ
柿葺の寄棟造りの茶亭です
「歌月」の扁額は 霊元上皇の宸筆
月波楼の美しい天井
天井を張らない造りで屋形船を表しています
月波楼の東には池が広がり 水面に浮かぶ月影を眺めることが出来
遠く松琴亭も見ることができます
北側からは紅葉山が見え 秋の紅葉はさぞかし美しいのでしょう・・・
御幸道は折れ曲がって中門に向かうようになっています
こちらは中門 右手は黒文字垣
「黒文字」とは落葉低木で
樹皮に黒い斑点があることから黒文字と名付けられ
和菓子用の大振りの楊枝に使われています
その黒文字の細長い枝を竹で押さえて 垣根が作られています
御幸道と住吉の松
絨毯を敷きつめたような美しい苔
桂離宮の設計者・八条宮智仁親王とその後継ぎ智忠親王は
造営に際して月を強く意識したそうです
「桂離宮」には
「月見台」「浮月の手水鉢」「月見橋」「月波楼」「歩月」など
月に関する名称や「歌月」の額
月の字の引き手や月の字くずしの欄間など
月に関するモティーフが数多く見られます
「観月」への思いを随所に感じることができました
自邸チャコールハウス&ヒメシャラ堂&茶室素心庵の設計で
建築太郎から「どんな家がいいのかな」と尋ねられたとき
コンサート後お聴きくださったみなさんと
空を眺めてパーティーができる中庭やくつろぎの空間があること
もうひとつは どの窓からも大好きな月を愛でられるように。。。
というのが 2つのchiho’sリクエストでしたので
月を随所に感じる桂離宮は 泣きたくなるほど胸に染み入る美しい日本建築
雨の風情により一層感銘を受け 感動の初訪問となりました
雨の桂離宮〜研ぎ澄まされた美空間 おしまいです
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